
管理薬剤師になって最初の1年。「何から手をつければいいのか」で迷う人は多いと思います。
結論から言います。1年目にやるべきは、次の3つです。
- 業務の「仕組み化」(自分が抜けても回る形を作る)
- 数字で通す交渉力を身につける
- 報酬と労力のバランスを冷静に見極める
そして、やってはいけないのが「全員を育てようとすること」。
私は管理薬剤師になって約1年。現場は9年目、年収は今900万近くです。きれいごと抜きで、実際にやって正解だったこと・盛大に失敗したことを、両方さらします。
目次
管理薬剤師1年目、最初にやるべきこと
① 業務を「仕組み化」する(紙薬歴→電子へ)
私が最初に手をつけたのは、紙薬歴からの脱却でした。とにかく現場の邪魔になっていた紙媒体をなくそうと、電子薬歴への移行を進めています。
正直に言うと、これはまだ完全には移行しきれていません。それでも、「紙前提の現場」を「電子前提の現場」に変えていく方向に、舵を切ったこと自体が大きな一歩でした。
ただ移行して終わりではありません。監査が来ても耐えられる薬歴に作り変えるため、定型文を登録して全員で共有できるようにしました。誰が書いても一定の品質になり、監査対応もできる形にする。これが狙いです。
ポイントは、「自分しかできない」を「誰でもできる」に変える作業こそが仕組み化だということ。属人化を潰すのが管理の最初の仕事です。
② 数字で通す交渉力を持つ
私は交渉のとき、感情ではなく必ず数字と結びつけて話します。
たとえば事務員の給与アップ。これは自分の報酬を上げる代わりにやったのではなく、**「薬剤師が少ない以上、現場は事務員の力がないと回らない」**という事実を数字で示して通しました。
実際、私の店舗では同じ業務量を薬剤師3人 → 1.5人にまで圧縮しています。薬剤師の人件費が大きく下がれば、その分の原資で事務員の待遇を上げても、会社全体の利益はむしろ増える。
「人を減らした分を、残って頑張る人に還元する」——この構造を数字で示したんです。だから通りました。
冷たいと思われても構いません。少人数で回すには、これしかない。サボる人には厳しく査定してもらう。結果として、そういう人が減るほど、患者さんへのサービスも提供スピードも上がりました。
③ 報酬と労力のバランスを見極める
これは1年やって一番伝えたいことです。やりがいだけで管理を引き受けてはいけません。
正直、私は900万近くもらっているからやっています。これが700万なら、やっていません。休みは削られるし、指示に従わない職員もいる。割に合わないと感じる場面は山ほどあります。
ただ、得るものもあります。経営方針を自分で考える力、売上を上げる発想。このあたりは現場の薬剤師のままでは絶対に身につきません。独立志向のある人には、最高の修行になります。
管理薬剤師1年目、やってはいけないこと
「全員を育てよう」としない
これは私の最大の失敗です。
「自分がいなくても回る形」を、人を育てることで作ろうとしました。でも、できなかった。
原因はハッキリしています。そもそも人を育てる仕組みが会社になかったこと。そして、できない人・やらない人を集めすぎて放置状態になっていたこと。こういう層は、マニュアルを作っても見ないし、手伝いもしません。
現実的な答えはシンプルでした。育てるより、合わない人には辞めてもらうほうが早い。 そして、サボる非常勤に依存しない、常勤を軸にした構造へ変えること。
最近、新しい常勤薬剤師が加わり、ようやくこの目標に近づいてきました。1年かけて学んだのは、管理は「人を変える」より「構造を変える」仕事だということです。
管理薬剤師に向いている人・向いていない人
向いている人
- 数字で考えられる
- 感情を切り離して判断できる
- いずれ独立したい
向いていない人
- 報酬度外視で、やりがいだけを求める
- 全員に好かれたい
まとめ
管理薬剤師1年目でやるべきことは、
- 仕組み化(属人化を潰す)
- 数字で通す交渉
- 報酬と労力のバランス判断
やってはいけないのは、「全員を育てようとすること」。
やりがいだけで引き受けないこと。報酬と天秤にかけて、納得できるなら——管理薬剤師は、現場では絶対に得られない経験をくれる仕事です。
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