暮らしと家族

小・中・大・特大|妹が少し苦手な息子が、家族を4人で数えた日#162

シルバーウィークに、家族4人で福岡へ行ってきました。3日間の旅行です。

初日は、こっちでは出会えないような大きなイオン。2日目はアンパンマンミュージアム。3日目は水族館と、九州最大級だというゲームセンター。

息子は6歳、娘は0歳です。

正直に言うと、旅行の中身より、息子の様子のほうがずっと記憶に残りました。

0歳の娘は、よく耐えてくれた

まず娘です。0歳で3日間の外出は、かなりの負担だったと思います。

連休ということもあって、どこも人が多く、思い切り自由にさせてあげることはできませんでした。そこだけは少し心残りです。

それでも最後まで、本当によく耐えてくれました。

息子は「帰る」と言うまで遊ばせた

息子のほうは、それぞれの施設で本人が「帰る」と言うまで遊ばせることにしました。

親としては待つ時間が長くなります。でも旅行のときくらいは、とことん付き合おうと決めていました。

結果として、それなりに楽しんでくれたんじゃないかと思います。

小・中・大・特大

印象に残っている出来事が、同じ日に2つありました。

ひとつめは、おもちゃで家を作るコーナーでのことです。

息子は家を4つ作っていました。

小・中・大・特大。

大きさを変えて、4つ並べていました。

何を作っているのか聞こうとしたら、その前に息子のほうから教えてくれました。

「家族全員の分だよ」

これは、私にとってはかなり大きな出来事でした。

息子は、自分の気持ちや考えを言葉にするのが少し苦手です。覚えたセリフを流暢に話すことはできるのに、自分のことになると途端に出てこなくなる。そういうタイプです。

だから普段は、こちらから聞いて、選んでもらって、ようやく言葉になることが多い。

それが今回は、聞かれる前に、自分から説明してくれた。

4つの家の意味を、自分の言葉で。

涙を流しながら、4個目を取った

それから数時間後、ゲームセンターでのことです。

息子が、おにぎりせんべいを取ろうとしていました。

何度挑戦しても取れない時間が続いて、だんだん不貞腐れてきました。

それでも、やめません。

途中からは涙を流しながらやっていました。本人にやめる気配はまったくありません。

そして、4個取れたところで、ようやく手を止めました。

ふと思い当たって、聞いてみました。

「全員分とってくれたの?」

息子は少しだけ笑顔になって、こう言いました。

「そうだよ」

4個。小・中・大・特大と、同じ数でした。

偶然ではなかったんだと思います。

妹のことは、今でも少し苦手なはずなのに

ここまで書いておいてなんですが、息子は妹のことが得意ではありません。

娘が生まれたとき、息子はあきらかに戸惑っていました。それまで自分ひとりだった場所に、急に誰かが増えたわけですから、当然だと思います。

そして正直に言えば、その戸惑いは今も続いています。すっかり仲良しになりました、という話ではありません。

ただ、ひとつだけ言えることがあります。

息子は、妹にどれだけ叩かれても、やり返したことが一度もありません。

その息子が、家を4つ作って、おにぎりせんべいを4個取った。

その4つ目は、苦手なはずの妹の分です。

好きになることと、数に入れることは違う

これに気づいたとき、少し考えました。

私はどこかで、「兄妹は仲良くなるもの」だと思っていた気がします。時間が経てば打ち解けて、いつか自然に仲良くなる、と。

でも息子がやったのは、それとは違いました。

好きになったわけではない。でも、数に入れた。

苦手なままでいい。仲良しじゃなくてもいい。それでも「うちは4人」と思っていて、何かを用意するときに自然と4つにする。

これって、けっこうすごいことなんじゃないでしょうか。

大人でも、苦手な相手を数に入れられない人はたくさんいます。私自身、できているかと聞かれると自信がありません。

6歳が、泣きながらそれをやっていた。

思い通りにならない顔も、まだする

もちろん、完璧な子どもの話ではありません。

自分の思い通りにならないと、今でもはっきり不満げな顔をします。取れない時間は、しっかり不貞腐れていました。

ただ、そこで崩れなくなりました。

不満げな顔をしたまま、なんとか耐えて、もう一回やってみる。我慢ができるようになったというのが、今回一番感じた成長かもしれません。

娘は、見つけると向かってきてくれる

最後に娘のことも少しだけ。

私は娘と過ごす時間があまり長くありません。それでも娘は、すごく慣れてくれています。

私の姿を見つけると、一生懸命こちらへ向かってきてくれる。そしていつも笑っています。

それだけで、かなり癒されます。

こういう時間のために働いている

旅行中、ずっと思っていたことがあります。

息子のはしゃぐ顔と、娘が初めて見る景色。それを眺めているだけで、仕事の疲れが全部リセットされる。

資産を増やしたいのも、働き方を変えたいのも、突き詰めればここに戻ってきます。この時間を、もっと増やしたい。ただそれだけです。

旅行の思い出はたくさんありますが、一番持って帰りたかったのはこれでした。

うちは4人なんだということを、あの子はもうちゃんと知っている。それが分かっただけで、行った価値がありました。

子どもとの記録は他にも書いています。水族館で憧れの魚に会えた日の話や、海亀を見送った日の話もよければ。

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