
「プール、行けそう?」
そう聞くと、6歳の息子は首をブンブン横に振りました。
「なんで?」と聞くと、返ってきたのはひと言だけ。
「怖い」
何が怖いのかは、分かりませんでした。
目次
「プールよりピアノがいい」と言っていた息子
少し前、娘の1歳の誕生日の夜、お風呂で息子は「プールより、ピアノがいい」と言っていました。
ハサミに一直線、そしてお金|娘の1歳の選び取りと、「プールよりピアノがいい」と言った息子
その日は、水泳教室に通うかどうかを決めるための見学に行ったばかり。だから正直、水泳はないかなと思っていました。
それでも、一度だけ体験に行ってみることにしました。
体験のあと、「楽しい」
体験が終わった息子に感想を聞くと、答えはシンプルでした。
「楽しい」
それ以上の言葉はありませんでした。でも、表情を見れば分かりました。
「やってみる?」と聞くと、
「やる〜!」
首をブンブン振っていた子と、同じ子とは思えないほど、元気でノリノリの返事でした。その場で、申し込みをしました。
同世代の子たちと、一緒に遊んでいるように見えた
体験の様子を見ていて、ひとつ気づいたことがあります。
息子は、水泳を「習っている」というより、同じくらいの年の子たちと一緒に遊んでいるような顔をしていました。
それを見て、「やっぱり、そうだったんだ」と思いました。
息子は、クラスでは一人で遊ぶのが好きな子です。少し前には、知らない子に追いかけっこに誘われて、涙目で私の膝に戻ってきたこともありました。
父も、母の後ろに隠れていた子だった|「一人で遊ぶのが楽しい」と言う息子に、伝えたいこと
私は、息子は本当は友達と遊びたいけれど、一緒に遊ぶための「きっかけ」を作るのが、まだ少し苦手なだけだと思っています。
もちろん、自分のペースで遊びたいから一人を選ぶ、というのも本当だと思います。
水泳教室では、先生が声をかけて、みんなが同じことをする。きっかけを自分で作らなくても、教室という場所が、自然と「一緒にいる」状況を作ってくれる。
だから息子は、同じ年の子たちの中で、あんなに楽しそうだったんだと思います。
2回目で、水に顔をつけた
そして、体験を入れて2回目のレッスン。私は見学席から見ていました。
息子は、水に顔をつけていました。
お風呂でも、プールでも、今まで一度も顔をつけられなかった子です。それが、たった2回目で。
親が何年かけてもできなかったことを、プロは2回でやってのける。指導者、恐るべしです。
ちなみに、家のお風呂では、今もまだ顔をつけられません笑(昨日、判明しました)。
同じ息子なのに、場所が変わるだけで、できることが変わる。先生がいて、同じくらいの年の子たちがいて、「みんなやっている」空気がある。
子どもにとって、育つ環境はそれくらい大事なんだと、あらためて思いました。
「怖い」は、やってみる前の気持ちだった
息子の「怖い」は、たぶん、知らないことへの怖さだったんだと思います。
行ってみたら、楽しかった。楽しいから、自分で「やる」と決めた。決めたから、顔もつけられた。
運動会のリレーでは、「僕は抜かれすぎたんだ」と悔しさを言葉にしました。
「僕は抜かれすぎたんだ」|園での最後の運動会で、息子が初めて"悔しい"を言葉にした日
悔しさを言葉にして、怖さを越えて、自分で決める。この1か月で、息子は少しずつ自分の足で前に出るようになっている気がします。
ピアノのことも、あきらめていない
「プールよりピアノがいい」と言った息子の言葉も、忘れていません。
ピアノ教室の見学先も探しています。ただ、住んでいる地域の事情もあって、なかなか良いところが見つかっていないのが正直なところです。見つかったら、また書きたいと思います。
父も、ダイエットを決意した
見学席から、人より少し遅れたスタートラインに立った息子が、目の前の最初のステージを、ひたむきにクリアしにいく姿を見ていました。
その姿に、私は自分を重ねていました。
私も、人よりずっと遅れて、30歳で薬剤師になった人間です。遅れてスタートした人が、目の前の一つをクリアする大変さと、うれしさは、少しだけ分かるつもりです。
そんな息子を見ていたら、見学席の父も、何かしなければいけない気がしてきました。
というわけで、父はダイエットを決意しました笑
決意した2日後が健康診断だったのは、ここだけの話です。
「怖い」と首を振っていた息子が、自分で決めて、水に顔をつけた。次は父が、自分の「怖い」に向き合う番かもしれません。まずは、体重計から。
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