
4年半前、投資を始めたとき。私は自分の口座だけじゃなく、妻のぶんも、そして当時まだ1歳だった息子のぶんも——家族全員の口座を、ほぼ同時に作った。息子は、ジュニアNISAで。
「1歳の子に投資?」と思われるかもしれない。でも私には、どうしても、そうしたい理由があった。
目次
私は、30歳までお金のことを何も知らなかった
投資も、複利も、NISAも。恥ずかしい話、30歳を過ぎるまで、お金のことは何ひとつ知らずに生きてきた。真面目に働いて、もらった給料をなんとなく使う。それが、お金との唯一の付き合い方だった。
仕組みを知って、いちばん最初に思ったのは——「なんで、もっと早く知らなかったんだろう」だった。お金は、あとから取り返せる。でも、時間だけは、あとから買えない。もし20代のうちに知っていたら。その"たられば"を、私は何度も飲み込んできた。
知ったその日に、"自分だけ"じゃ足りなかった
だから、自分の口座を作るだけでは、どうしても足りなかった。妻も、まだ1歳の息子も、みんなで同じスタートラインに立ってほしかった。
息子には、私みたいに"遅れて悔やむ"思いを、させたくない。その一心だった。彼にとっての「時間」は、私が始めた頃より、さらに30年近く長い。同じことをしても、スタートが早いだけで、たどり着ける景色がまるで変わる。それを、私は身をもって知ってしまったから。
本当に渡したいのは「お金」じゃない
正直に言えば、口座の残高なんて、どうでもいい。私が本当に渡したいのは、その先にある考え方だ。
お金は、ぜいたくをするための道具じゃない。「自由に選ぶ権利」を買うための道具だ——それを、いつか彼自身の頭で理解してほしい。
嫌なことに「嫌だ」と言える。理不尽に「NO」と言える。やりたいことに、迷わず手を伸ばせる。お金は、そういう"選択肢"をくれる。私が数年かけてやっと気づいたことを、息子には、人生のもっと早い段階で渡しておきたい。
あれから4年半、息子は6歳になった
もちろん、当の本人は、自分の口座のことなんて1ミリも知らない。今日も、焼肉より白ごはんを3杯おかわりして、けらけら笑っている。
でも、それでいい。彼が気づかないうちにも、彼のぶんの"時間"は、静かに積み上がっている。花が咲くのは、ずっと先でいい。いつか彼が大きくなって、自分の人生を自分で選ぶとき——「そういえば、父さんが」と、ふと思い出してくれたら、それでいい。
お金の勉強は、遅れて始めた私の、ささやかな後悔だった。だからせめて、家族には。渡せるものを、あの日、そっと渡しておいた。
※ジュニアNISAは2023年末で新規の受け入れを終了しています(我が家は当時に始めたものです)。今から子どもの資産形成を考える場合は、別の方法になります。未成年の口座は親権者である私が管理・判断して運用しています。投資に絶対はなく、始め方や是非はご家庭ごとに、ご自身の判断で。
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