広島県呉市
広島県南西部、広島湾の南東岸にある市で面積353.84平方キロメートル、人口約24万人、JR呉線や広島県呉道路、国道31号、185号、375号、487号が通じ、呉港を中心に島嶼部や四国、九州と結ばれています。市域は山地が海に迫り平地に乏しいです。旧市街地は階段状に山麓にはい上がっています。1889年に海軍鎮守府が置かれ、その後造船部、造兵部のある工廠が設置され、一寒村は海軍の町として急速に発展しました。第二次世界大戦中は人口40万人達していました。世界最大の戦艦大和はここでつくられました。1945年に米軍の爆撃で壊滅的被害を受け、終戦後は失業都市となっていました。1948年ごろから旧海軍施設を転用して産業港湾都市として再出発を図り、多くの企業が立地しています。地場産業としまして、仁方のやすり、吉浦の砥石、清酒などがあります。市内には海軍ゆかりの地が多く、現在は海上自衛隊地方総監部や海上保安大学校があります。瀬戸内海に面し自然美に恵まれ、市南部の倉橋島との間には平清盛が開削したといわれる音戸ノ瀬戸があり音戸大橋、下蒲刈島との間には安芸灘大橋、下蒲刈島と上蒲刈島との間には蒲刈大橋が架かります。灰ヶ峰や休み山などからは瀬戸内海を満喫できます。
尾道市
広島県南東部、瀬戸内海に面する市です。面積284.85平方キロメートル、人口14万5000人、山地が海に迫り、市街地は海岸沿いに長く東西に延びています。尾道は第二次世界大戦の戦災を受けることなく、古い街のおもかげを残しています。かつて志賀直哉の住んだ家があり、林芙美子のゆかりの地であり、文学碑の立つ「文学のこみち」や「おのみち文学の館」があります。古刹も多く、真言宗泉涌寺派大本山浄土寺は聖徳太子の創設と伝えられ、国宝の本堂、多宝塔や国指定重要文化財が多いです。尾道の起源は1168年備後国大田荘の船津倉屋敷が置かれたのに始まります。その後、年貢米輸送として、さらに、対明貿易船の寄港地になりました。江戸時代には西廻り航路の中心地として栄えました。明治以降は港が狭く水深も浅いので大型船の出入りが制限され、地方的な港となっています。産業面では、商港としての長年の実績を基盤にして商都の性格が強く、卸・小売りなどの商業機能が高く、海に面して回船問屋や卸売り問屋が軒を並べています。市街地東部や北部には流通センターが設置されています。工業の脱造船化が図られ、工業団地や流通団地の造成が進められています。向島ではミカン、野菜栽培が行われています。尾道大橋や新尾道大橋が架かっています。
大竹市
広島県南西端、広島湾に面した市です。面積78.57平方キロメートル、人口2万8800人。広島湾に沿って、JR山陽本線、国道2号が走ります。市の中心部は小瀬川河口のデルタに発達するが、市域のほとんどは中国山地です。大竹地区は山陽道の渡船集落として発達し、江戸時代には和紙の町として知られました。明治以降、製紙工業やレーヨン工業が立地し、第二次世界大戦中は海兵団も置かれました。戦後は、対岸の岩国市と結んで石油コンビナートが立地しました。玖波は山陽道に沿う宿駅で、本陣跡の洪量館など江戸時代の町並みが残り文化財に指定されています。小瀬川中流には小瀬川ダムが建設され、下流には1990年に完成し、工業や都市用水を確保するための中国地方最大級の弥栄ダムがあります。石油化学や製紙工業にかわる都市型工業の立地が望まれていますが、土地のないことが隘路となっています。特産品としては手漉き和紙などがあります。瀬戸内海上の阿多田島ではイワシ漁やカキ、ハマチ、タイなどの養殖が盛んです。北部の三倉岳は、ハイキングやキャンプに適し、県立自然公園になっています。市街地中心近くにある亀居城跡はサクラの名所で、本丸跡地から瀬戸内海が望まれます。
東広島市
広島県中部、西条盆地の中心をなす市です。面積635.32平方キロメートル、人口19万人。古代には安芸国府が置かれたという説もあり、西条には安芸国分寺跡があります。江戸時代には山陽道の宿駅四日日市宿が置かれました。明治以降、賀茂郡の中心として県の出先機関などが置かれ、現在、エリザベト音楽大学、近畿大学、広島国際大学の分校があり、1995年に広島大学の統合移転が完了し、学園都市を形成しています。また、広島中央テクノポリスの中心として、電子工業やエレクトロ二クスなど先端産業の立地が相次いでいます。この他にサタケの農機具は国内をはじめ東南アジアにも輸出されています。在来工業としては酒造業が有名で、西条の賀茂鶴など多くの銘酒があり、白壁造りの酒蔵がみられます。松林が多く、マツタケの産地としても有名です。三永水源池はフジの名所で三ツ城古墳は広島県最大の前方後円墳で、中世山城の鏡山城跡は県立鏡山公園となっています。高屋地区の旧木原家住宅は江戸初期の豪商住宅で国の重要文化財に指定されています。
1974年賀茂郡西条、八本松、志和、高屋の4町が合併、市制施行され成立しました。2005年安芸津、黒瀬、河内、豊栄、福富の5町を編入。JR山陽本線、山陽新幹線、国道2号、185号、375号、432号、486号が通じ、山陽自動車道の志和、西条にインターチェンジがあります。