モラハラとは?
まずモラハラとは「モラルハラスメント」の略になります。モラルハラスメントとはどういう状態のことを表すのか、また特徴や対処法など紹介していきます。
この頃、注目されてきている「モラハラ」という言葉。芸能人夫婦の離婚問題などでもメディアで取り上げられ始めてから目にすることが増えたかと思います。
そもそもモラハラとは「身体的な暴力で傷つけることではなく、態度や行動、主に言葉などで人の心を傷つけること」を指します。モラルハラスメントは精神を傷つけられることから、第三者の目から見てもどれだけの被害を受けているのか分かりづらいという特徴があります。そのため被害者、加害者ともにモラルハラスメントが行われていることに気づかずに被害が深刻化していくことが多々あります。
モラハラとはどんな事をされたら言えるの?
これから紹介する行動のうち、一つでも当てはまったらモラハラといえるわけではありません。その言動の頻度や、場所、言い方などで変わってきます。
モラハラをする人は主に「自己愛が強い」というのが根本にあります。自己愛が強いというのは単にナルシストというわけではなく、自分がすることはすべて当たり前で正しいことなのだと思う傾向にあります。また、モラハラをする人は外では人当りよく、他人からはとてもいい人だと思われる人が多いです。そして二人だけの空間になると爆発するパターンが主です。それを踏まえて、ご覧ください。
①無視をする
喧嘩や争いごとがあると数時間から数日、相手と話をしないことは一般的かと思いますが、モラハラが相手の場合は平気で数週間から数カ月にわたって無視する状態が続きます。そして無視し続けた後は自分の機嫌が良くなると唐突に普通の会話をしてくるようになります。喧嘩などまるでなかったかのような態度をとることがあります。
②暴言を吐く
「生きてる意味ないんじゃない?」「頭悪すぎ」などモラハラの人は相手の人格や存在を否定することを平気で言います。また「誰の金で生活できてると思ってんだ」「お前だけじゃ生きていけないだろ」といった自分の方が上なんだということを表すために相手を見下す発言もします。
③行動で脅す
自分の気に食わないことがあると壁を殴ったり、ドアをわざとらしく大きな音で閉めたり、舌打ちをしたりと行動は様々です。言葉で責めるわけではなく、脅すような行動をとって相手を怖がらせます。相手が怖がる態度を見せないとさらに行動はエスカレートしていきます。
④経済的に苦しめる
これは夫婦関係になったときに現れる行動です。同棲していて家計を同じくしているカップルにも言えることです。家庭を維持するためのお金を入れない、ギャンブルや趣味にお金をつぎ込み借金をする、お金の管理をしたがるなどといった行動を取ります。また一緒に住んでいない場合でも相手に自分の借金を払わせたり、お金をせびるという行動も経済的に苦しめるという行動に当てはまります。
なぜこのような事をするのか、モラハラの心理状態は?
モラハラをする人はプライドがとても高く自分に攻撃的な他者を阻害する傾向にあります。そもそもプライドというのは自己を肯定する気持ちのことを言います。これが過ぎると【自己愛性パーソナリティ障害】という病気に位置付けられます。モラハラをする人はこの病気を抱えているケースが非常に高いです。
自己愛が強いと世間的にはいわゆる「いい人」に見えます。プライドが高いので、かっこ悪い姿を見せたくないために不安な気持ちや怒りの感情を押し殺し、外から見ると穏やかな人だと思われるように行動するからです。
しかし、常にいい人の顔をしているとストレスが溜まっていくわけです。そのストレスを発散するために自分に絶対に抵抗してこない人に対して閉鎖的な空間でその不満をぶつけるのです。
人がこうなってしまう原因の一つには育った環境というものがあります。ネグレクト状態で欲求を我慢することを教わらなかったり、過保護になりすぎて甘やかされて育ったなどがあります。異なる環境で育ったもの同士が一緒に暮らすと、考えや価値観の違いが生まれるのは当たり前のことです。しかし、モラハラの人はこれまで育った環境の中でそのような経験をしたことがありません。自分がしていた行動がすべて許されていたので、【我慢する】【譲歩する】といった考えが全くないのです。
モラハラの3つの特徴
1.外面が非常にいい
自己愛が強く、プライドも高いため他人からの評価を非常に気にする傾向にあります。そのため自分の情けない姿や良くないイメージがつくことを極端に嫌います。これにより外での評価を良くするために【良い人】というものを演じます。
2.初対面の相手に優しい
モラハラをする人は、相手が自分の言うことを聞くか最初のうちは見定めるために初対面でも非常に親切にする傾向があります。反対に一回きりしか会わないようなお店の人などには良い人を演じる必要がないので横柄な態度をとるという反対行動も行います。
3.仕事や日常で常にストレスを抱えている
働いている人にとって仕事でのストレスはつきものです。上司からの叱責を受けたりなどでストレスを抱えるのは一般的な事ですが、モラハラの人は常にストレスを抱えているという状態が問題になります。これは社会人としてうまく立ち回ることができずに、常にストレスを抱えるということです。こうしたストレスが常に溜まっていくことにより、破壊願望が目覚めてしまい閉鎖的な空間でそのストレスを発散しようと思うようになります。
モラハラの対処法
深刻化するまでお互いに気づきにくいモラハラは、付き合ってからこの人はモラハラだと気づくことが多いようです。本来であれば、相手がモラハラだと気づいた時点でお別れをすることがベストになります。しかし、そう思っても付き合い続ける人は相手の支配下に置かれていることを納得する【自己犠牲の精神】をお持ちなのだと思います。自分の本当の感情から逃げ出さずにしっかりと現状を把握し、周りの意見にも耳を傾けることが大事です。
まず、相手から言われたことで嫌なことなどがあればキッパリと嫌だと伝えることが第一歩です。モラハラの人は精神的に弱い人の心理操作が上手く、あいまいな態度をとってしまうとそのまま押し切られてしまいます。また、モラハラの人の言うことばかり聞いていると自己肯定感が下がってしまい、自分は本当に価値がある人間なのかという疑問を持ち始め、自分はこの人の言うことを聞いていないと生きてる意味がないのだと感じるようになってしまいます。そのような悪循環に陥らないように、近くの人に相談してみたり公的な機関を利用してみましょう。
まとめ
モラハラの人の性格を直そうとするのはとても難しいことです。本人は自分がこれまでやってきたことは正しいと思い込んでいるので、それを一から正そうとするのは非常に困難です。しかし、相手のことを好きならばやはり自分が我慢していればそれでいいかなと思ってしまう気持ちもあるかと思います。あなたが幸せでいるためには、嫌なことは嫌だとしっかり突き放すことも大事です。大事になる前に冷静に判断し、時には周りの意見を聞くことを心掛けるのが大切です。