住環境整備
危険なものは置かない
子イヌも子ネコも室内に放すと、家中を探索して回ります。初めは探索するくらいだけですが、慣れてきますと色々なものをかじったり、ひっくり返したり、引っ搔いたりします。子イヌや子ネコがかじると危険なもので例えば毒性のある観葉植物や、かじられたり、引っ搔かれたりして困るものは片付けておくべきです。環境として温度と湿度に対しては、イヌとネコは元来夜行性で、体幹部に汗をかくことがないために、寒暖の変化には弱い動物です。とくに子イヌ、子ネコには、涼しい場所と暖かい場所を自ら選べるようにする工夫が必要となります。品種によっては理想的な室温は異なってきますが、一般的に夏は27℃、冬は23℃くらいが良いとされています。洋犬や洋猫は高い湿度に弱いものが多く、湿度は70%以下が望ましいとされています。
成犬や成猫を飼う事になった場合
飼い始めたら最後をみとるまで飼うべきです。途中で飼えなくなる可能性がある人は動物を飼うべきでないと思いますが、やむをえない事情から人に託さなくてはならない場合も出て来ることもあります。譲り受ける人は、前の飼い主がわかっている場合には、それまでかかった病気のこと、ワクチンの接種時期、フィラリア予防はどのようにしていたかなどを詳しく尋ねておくようにしておきます。子イヌ・子ネコの場合に比べ、動物とのきずなを築くのに時間がかかることもあるかもしれないです。飼い主が急に変わり、環境が急に変わったことに不安を抱いている動物の心情を察するようにし、根気よく接するようにします。
イヌとネコの体の手入れ
体の手入れの必要性
イヌやネコの体の手入れを行うことは、見かけ上の好印象を得るためではなく、被毛が飛び散ったり、それにより飼い主の衣服や家屋が汚れるのを防ぐためにも重要なことです。また、十分な手入れを行えば、それなりの病気を予防する効果があるからです。ブラッシングとしては、イヌの皮膚と被毛の汚れを取り除くことを主な目的となりますけど、それに加えて皮膚の血行をよくする効果も期待できます。ブラッシングには、ブラシやスリッカーやコームなどを使用します。ブラシは、とくに長毛種のイヌに用いること、スリッカーは毛玉や被毛のよれを取り去るときに有用です。コームは仕上げ用に用いることが多いです。
トリミング
イヌの毛を刈り込み、整えるトリミングは全身の被毛を短くしたい場合や、不要な被毛を除去する場合に行います。とくに腹部や肛門の周囲、四肢の掌部の被毛は、短くしておくことがいいです。腹部は、へそから尾側の部分の毛を刈り取ります。この部分にバリカンをかける祭には、イヌを立たせておくと、操作が容易になります。肛門周囲の被毛は、肛門を被っていたり、糞便が付着する部分を刈り取るようにします。バリカンを用いる場合は、肛門にその刃が当らないように、肛門から外向きにバリカンを動かします。四肢の掌部は、イヌが汗をかく場所であり、過度に湿潤して蒸れることがあります。このため、肉球の間や周囲に生えている被毛を刈るようにします。このとき、肉球を十分に開いて刈るようにします。大型犬の場合は、肉球の間に木の枝が入ると皮膚に刺さることがあります。これを予防するために掌部の被毛は表面だけを刈り取り、深部には毛を残しておくことにします。
歯の手入れ
人間と同様に、イヌも歯垢や歯石が付着します。そこで、食後に歯を磨いてあげるようにします。イヌ用にはガムが販売されていますが、人の指にガーゼを巻いてこすったり、歯ブラシで磨くほうが効果的です。歯ブラシには大小のサイズがあり、前歯用と奥歯用のタイプのブラシがついているものもあります。また、指サック式の歯ブラシも市販されています。歯ブラシは、水をつけたり、専用のゲルをつけて磨くようにしますが、このとき、あまり力を入れ過ぎないように注意します。歯石が付着してしまったときには、人間の爪でこすってみます。これでも取れない場合には動物病院に行くべきです。
シャンプー
皮膚や被毛の汚れを取り除くために、ブラッシングに加えてシャンプーはイヌに対しては、定期的にシャンプーを行うことがいいです。シャンプー製品には、色々なものが販売されています。人間用のシャンプーを選ぶのと同様、一度使ってみて相性のよい製品を選ぶようにします。シャンプーを行うときには、被毛だけにとどまらずに、皮膚までよく洗浄することを心がけるようにします。特に耳介の付け根と前肢の肘の部分は皮脂がたまりやすいので、丁寧に洗うようにします。シャンプーの後は、リンスを行います。リンス製品も相性の良いものを選びます。その後、タオルで水分を拭き取り、ドライヤーを用いて乾燥させます。ドライニングは、ブラシやスリッカーを使ってブラッシングをしながら行うと効果的です。完全に乾燥させないと、後でフケが出やすくなることがあります。