私は今、もういい年のおばちゃんなのですが、誰しも独身時代、彼氏彼女が居ない時、知人や友人から異性を紹介してもらったことの1度や2度ありますよね?
私の同級生で友人のA子ちゃんは、その時、彼氏と別れたばかりでした。会社関係の知人から男性を紹介してもらうと言うことになったそうで緊張しつつも期待し出かけて行ったのだそうです。
これは後日、その時の事を彼女から電話で聞いた話です。
その日A子ちゃんと紹介してもらった方、ここではBさんとしましょう。2人はドライブデートすることになったそうで待ち合わせ場所までA子ちゃんは自分の車で行き、Bさんの車へと乗り換えたそうです。
車に乗り込んだものの何も準備していなかったので飲み物位欲しいと思ったA子ちゃんは「すいません、コンビニあったら入ってもらえますか」とお願いしたのだそうです。するとBさん、なんだか端切れの悪い感じの答え方で「えぇ…わかった」と返事したとか。
道路沿いにはコンビニって結構な頻度でありますよね。
A子ちゃんはコンビニが見えたので入ってくれるかな?と思ったのに、なぜかBさんは、そのコンビニを通り過ぎて直進してしまったのだそうです。A子ちゃんは、え?なんで?と驚いていました。電話で語るA子ちゃん、「私の言ってること忘れちゃったのかな?なんで?と思って私Bさんに聞いたのよ。『今、コンビニありましたよね?私、さっきコンビニ入ってってお願いしましたよね?』って話している間にもまたコンビニあったのよ、でもまた入ってくれないのよ。だから私『ちょっとちょっと?またコンビニあったよね?なんで入ってくれないの?』そしたらなんて言ったと思う?」
と私に聞いてきたので、「コンビニにこだわりがあったとか?セブンイレブンじゃなきゃイヤとか?するとA子ちゃん
「ああ、そういうこだわりのある人も居るよね。違うのよ、Bさんの答えは『だって右側だから』だってさ、どう思う?」
そこで私、爆笑してしまいました(笑)
私「なにそれ?もしかしてBさんは右折ができないとか(笑)そんな訳ないよねぇ?免許持ってるんだから」
A子ちゃん「(笑)あのさ、右折してはいらないといけないコンビニには入れないんだって」
A子ちゃんの話によると、Bさんは進行方向の左にあるコンビニにしか入れないのだそうで何度か通り過ぎて左にコンビニが現れた時、やっと入っていただけたのだそうです。
私「なにそれ?免許持ってるんでしょ?右折できないんじゃ道走れないじゃん」
A子ちゃん「そうそう、だからね、右折はできるんだよ、でも右折は好きじゃないんだって、特にコンビニは左にないとダメなんだってさ」
とBさんは、意味不明なことをおっしゃっていたのだそうです。
私とA子ちゃんは爆笑でした。
私「そんなんじゃ不便だよね?」
A子ちゃん「そうだよね。でさ、もしコンビニ行きたいと思ったとしても、自分が走ってる左側にコンビニがなければあきらめて家に帰るんだって。徹底してるよね…」
と感心するA子ちゃん。
またしても私は爆笑でした。
確かに対向車線側のコンビニに入るよりも進行方向の左にあるコンビニに入る方が簡単なのはわかりますが、そこまでとは…
A子ちゃん「Bさんは、悪い人じゃなかった。でもな。左のコンビニしか入れないんじゃな…」と言っていました。
その後、A子ちゃんとBさんがどうなったのか私の記憶にはありません。
Bさんが左のコンビニにしか入れないという話があまりにもインパクトがあって、私にとっては、ただ笑えた友人との電話の思い出としてしか記憶されていないんですよね。
今になって思うとA子ちゃんが好きだったから、強がっていたと思います。右側のコンビニに入れないというのはきっと噓です。話すのが苦手なBさんが考えた秘策だったとおもいます。そもそも免許取れているわけなんだから、話の話題として作った話だと思います。
ドライブデートで運転に気を取られて、話ができなくなるよりか、右側のコンビニには入れないと冗談をいうことで、ドキドキワクワクしますね。数年ぶりにA子ちゃんに電話すると、なんとBさんのことが好きになってその後何度もドライブデートをしたと言ってました。私は、右側にあるコンビニに入った。と聞くと、全然問題なく入ったわよ。と言ってました。Bさんとは連絡していないそうですが、年賀状のやり取りはしていると言う。その文面がドライブデート楽しかったです。またお会いしましょう。と書いていますが、その後Bさんはご結婚されているので、なかなか会うのは難しくなりました。
A子ちゃんにその日の天気とか覚えてる?と聞くと、勿論雲一つない青空だったよ。私達にエールを送っているような晴天でした。あんな晴天はいろんなとこに旅行にいったけど、あの日を超える景色はなかったと言ってました。え?それって、二人が結ばれていたということなんじゃないの?と聞くと、だって、右側のコンビニに入れないのはダメでしょ。と笑って答えていました。